
毛皮の歴史について
今では当たり前のようにファッションとして愛されている毛皮ですが、一体いつ頃から衣服として用いられるようになったのでしょう。毛皮の歴史は私たちが思っている以上に古く、原始時代から素材として使われていたと言われています。
原始時代など人類の文明が今ほど発達する以前の世界では、動物の毛皮や角・キバなどが積極的に利用されていたのでしょう。そうでなければ、化学繊維や羊毛などが存在しない時代に人が寒さを防ぐ手段がありません。
今でこそオシャレの1つとして楽しまれていますが、昔は生きるために必要不可欠な素材だったのです。
かつての毛皮の価値と意味
同時に権威や権力の象徴としても使われており、かつての王家などでは豹やトラの毛皮を象徴として使っていたと言われています。つまり、毛皮の元祖はトラや豹だったのです。
現代ではフォックス・ミンク・ラビットなどが主流となっていますが、一部ではトラの毛皮を絨毯にしている人もいます。
この流れは19世紀~20世紀前半ごろから日本の人口増加が起因しており、トラ・豹以外のタイプの毛皮も輸入しなければならないほど需要が高まったのです。そのために必要な毛皮動物を増やす施設や取り組みも始められました。なお、いま現在毛皮製品として用いられているのは、以下の動物から得られる毛皮です。
・フォックス→キツネ
・ミンク→イタチ・テン
・チンチラ→チンチラ
・ラッコ
・カワウソ
・ビーバー
・アザラシ など。
一般的なアパレルとして有名なのはフォックスやミンクなどですが、目的や状況に応じてカワウソやアザラシなどの水生動物の毛皮も活用されます。
1960年以降に毛皮加工技術が向上
当初毛皮の加工は技術的に難易度が高く、単純な防寒具や権力の象徴として使われる程度でした。それが1960年~1970年頃に毛皮加工技術も向上し、コートやバッグ・帽子などさまざまなファッション素材として取り入れられるようになりました。
現代の毛皮加工技術の基礎はその頃にできあがっており、そこから応用・開発された技術が今も毛皮加工の現場で活かされているということです。最近では繊維加工の技術も発展しており、本物の毛皮そっくりな「フェイクファー」も広く浸透しています。
毛皮産業は過剰になり過ぎて問題視されるケースも多いですが、近年はそれらの側面に関する法律や制度も整ってきている状態です。もちろん好き嫌いなど好みは分かれると思いますが、毛皮ならではの魅力は今も昔も変わりません。